信じてる信じてる信じてる。
 
 
 ――――信じてた。








 
 
 
Rain.-12-












元輝に送ってもらって家に着いた途端、雨は急に激しくなった。
まるで
まるであの時のように。

「…………や、だ………。」

急に怖くなった。
何か起こるような気がして、怖い怖い怖い。


お父さんとお母さんが家を出て行って、おばあちゃんと待っていた日もこんな雨だった。
待っているのは凄く不安だった。小さいながらに何かを感じていたんだ。
だけど、だけどおばあちゃんもいた。
一人じゃなかったもの、だからそんなに怖くなかった、怖くなかったの。

でも
でも今は


「―――ひとり………」



とりあえずリビングに入った。急いで電気をつけて、気持ちを落ち着ける。
一瞬、元輝を追いかけようかと思った。
だけど今の状態で、一人で雨の中出るなんてできやしないと、そう感じてやめた。

……携帯。
そう思って電話をしてみた。だけど出ない。

…雨の日、傘をさしていて、携帯の音に気付くことも、開くこともないんじゃないか。

――あぁ、やっぱり私は一人なのか。







雨はまだ降り続いている。
雨の音がやけにうるさく聞こえる。



RURRRR.....

静かに電話の音がなりだした。
足取りは重く、ゆっくりと。
電話をてにかけて静かに問う。

電話の向こうからの声は、私の願っていた言葉を言ってはくれなかった。













───文子さんは亡くなられたよ。───





ほらやっぱり
神様なんて、最初からいなかったんだ。









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